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今回はOTAGAISAMAサポーターとして応援してくださっている、鈴木臨之介さんにインタビューをさせていただきました!フリーランスで声優やナレーター、ラジオパーソナリティとして活動されている鈴木さんが、どんな幼少期を送り、今のお仕事に就かれたかをお伺いしたほか、IAECへの想いも語っていただいています。なかなか聞くことのできない声優やナレーターの業界のお話は必見です!
ぜひご覧ください。
フリーランスで声優、ナレーター、ラジオパーソナリティをやっております鈴木臨之介(すずきりんのすけ)です。5、6年前に事務所を辞めてからはトークのお仕事などいろいろ挑戦しています。自分で企画を立ち上げたり、声優さんが出るようなコンテンツを作ったり、ラジオを配信したりしています。
今は、ネットラジオ局のゆめのたね放送局の東日本第1チャンネルで、毎週日曜日の夜11時30分から0時まで「鈴木臨之介のかえりましょ♪」という番組を6年ほどやっています。
テーマは「原点にかえる」です。今の仕事についた理由はなんだろうということをお招きしたゲストの方に聞いています。このコンセプトにしたのも理由があって、役者ってメンタルがすごく繊細で、病んじゃう子が多いんです。でもそういう時に、なんで声優業界に入りたいと思ったのかと話を聞くと、すごくキラキラした内容なんです。だからそれを思い出したら良い逃げ場みたいなものができるだろうなと思って、自分の原点を振り返る番組にしたいと思いました。
また、5月から毎週月曜日更新の5分ラジオの「創人ロボラジオ部」もほぼ私1人でやっています。
こちらもご覧いただければと思います。
その他、2021年には「めぐりあう」という朗読シリーズをやって、2月に「めぐりあう、春夏秋冬」、11月に「めぐりあう、時間」というタイトルで大正・昭和・平成・令和の4つの物語を喋らせていただきました。
朗読劇は、役者の声や仕草を読み取って、お客さんの想像力でいろんな楽しみ方があるものなので、そこを楽しんでいただけるようにということは意識して演じています。
小学校1年生の時までは皆を笑わせたい気持ちが強い子でした。
でも、2年生の時に学校が合併して、合併先にやんちゃな感じの人たちがいたんです。
いつも通りに皆を笑わせようとしたら、その子たちから目立とうとしていることにいちゃもんを付けて叩かれて、前に出ることは悪いことなんだと思うようになりました。
中学に入り、声変わりした声を凄くいじられ、自分の声は悪い声なんだと思うようになりました。
声が琴線に触れるって凄いことだって、プラスの意味で受け取れてたら良かったんですけど、人と違うことが本当に嫌でしたね。
当時、「聖闘士星矢」「リングにかけろ」などの作者である車田正美先生という愛してやまない漫画家さんがいました。
学校を抜け出して隠れ場所にしていた本屋に、「聖闘士星矢」や文庫本が置いてあったのでよく読んでいました。中学3年生のときに「リングにかけろ2」という作品があったんですけど、最初のページが「いつから日本はこんなだせぇ国になっちまったんだ」っていうセリフから始まるんですね。当時不祥事が多くて、毎日ニュースで見てメンタルがどんどん傷ついていたときだったので、それを見た時はすごく感動しました。
自分の思ってたことを言ってくださる漫画ってあるんだなと思って、そこからどっぷりハマっていきました。
高校は男子校でした。そこでは真っ先にではないですけど、いじめがありました。いじめる側といじめられる側どちらもクラスメイトや友達でした。当時の僕は相談できるのが教師しかいなかったんですが、「あれは愛情表現で、いじめじゃない」って言われました。
いじめの内容は、脱がしたり、じゃんけんして負けた人が肩パンみたいなゲーム感覚のものでしたが、陰湿ないじめだったと今でも思います。いじめる側だったクラスメイトに「やめよう」と言ったときに、「(クラスメイトの)あいつは友達じゃねえし、お前も友達じゃないからなんでお前のいうこと聞かなきゃいけねえの?」と言われました。それがすごく自分に刺さって、人を信じることができなくなりました。
そこからどんどん不登校になり、結局高校2年で中退しました。
でもいじめについて何も知らない友達もいて、よくゲームの話やキャラクターのものまねをしました。スーパーロボット大戦というゲームの渋めのキャラクターのものまねをした時に「いいね!似てるね!」って言われたんです。今まで自分の声は悪い声だとずっと思ってたので、その時に初めて自分は悪い声じゃないんだと気づきました。
そこから声の世界に注目し始めました。
※写真はイメージです
中退後、声を使える所に行きたいなと思い、まず養成所や専門学校などの資料を取り寄せました。ただ、当時の演劇業界は、高校の卒業見込みや高校卒業資格が必要な所がほとんどだったんですね。どうしようって悩んだ時に、足りていない部分の単位をとる選択式の通信制高校なら養成所に通いながら卒業資格も得られることを知り、通信制高校に入学しました。
当時養成所から事務所に入って活躍されてる声優さんがほとんどだったので、養成所にはいらなきゃと漠然と思っていました。業界について無知だったので、養成所は好きな声優さんがいるところに入ろうと思っていました。
井上和彦さんと塩沢兼人さんという声優さんがいらっしゃるんですけど、和彦さんが養成所を開いていることを知ったので、そこに決めましたんですが、そこでのレッスンの内容が想像と全然違い、衝撃をうけました。
まず声優は声を使って喋るものだと思っていたんですけど、「芝居がちゃんと出来るようにならないと声の芝居はできない」という教えの元、一年目は基本的に肉体トレーニングと芝居の稽古の毎日でした。
トレーニングをやりながら即興劇を、設定を与えられて手をたたくまで自由に表現してください、というのをやっていました。
マイク前に立たせてもらったのって多分2年目からとかじゃなかったかな。
そのあと社内オーディションがあって、合格したら事務所所属になるんですけど、上手くいきませんでした。完全実力主義もそうですが、事務所にも欲しい人材がいるんですよね。ちゃんとアピールをしていかないと難しい業界なんですね。
※写真はイメージです
そのあと声優の専門学校に2年通いました。 専門学校は何十もの事務所とパイプを持っていて事務所の人も見にきますし、在学中でも仕事をふってもらえるので、いい経験になると思ったんです。
他の生徒は普通の高校とは違う生活をしたいって思って入学する子が多くて、授業の受け方は他の生徒と違っていたと思います。
ただ先生からは、新鮮さを求められていて、それが経験者である僕の中ではジレンマでした。もともと声優は芝居ができなければいけないという所から教えてもらって、お芝居の話も好きだったので、そういった意味でも学校の中では浮いていましたね。
卒業後は養成所のない新しい事務所に入りました。事務所でレッスンを受けながら仕事を回して自分なりに頑張ったんですけど、なかなか上に上がれなくて、まだまだ足りていないと感じ、退所しました。
色々な声優さんがボイスサンプルを出しているんですが、辻谷耕史さんという方のサンプルがすごく耳に残りました。1度舞台を拝見したことがあるんですが、かっこいいイメージのあった辻谷さんが、ざっくばらんな感じの役をしていたり、喋りも凄く面白いんですね。
彼にぜひ教わりたいと思って、事務所を辞めた時に辻谷さんが辻谷塾を開校したので、オーディションに合格して、一期生としてレッスンを受けさせていただきました。
辻谷さんはお酒を飲むのが好きで、レッスン後に一緒に飲みにいく機会が何度もありました。辻谷さんが主人公役を演じた「機動戦士ガンダム F91」の話をすることが多かったんですが、「俺はガンダム 0080のバーニィの役の方が好きなんだよな。」と言っていました。
そのとき「臨之介は0080のバーニィ見てるもんな」ってふってもらえたのがすごく嬉しくて、辻谷さんに覚えていただいてたことがありがたかったです。
その後、 沢山のパイプを持っていた専門学校のチーフが、独立したと聞いたので見学に行きました。ワークショップではあるんですが、内容は専門学校とほぼ変わらないくらいのクオリティでした。
見学してみたら、面白い役者が多かったんです。というのは1回失敗してる役者が基本的に来てるので、演技の水準が高いんですね。凄く面白いと思って、是非ここで勉強したいとチーフに話して、色々勉強させて頂きました。その後一旦事務所に入るんですけど、色々あり事務所を退所しました。しばらく事務所にいたくないと思って、30か31歳くらいのときにフリーランスになる決意をしました。
フリーランスになった時に友達がラジオをやろうと誘ってくれました。僕は喋るのが苦手なんですが、新しいことをしたいと思っていたので、友達に頼ればいいかくらいの気持ちで始めることになったんですが、番組が始まるちょっと前に友達から事務所NGが出たと言われ、1人でやることになりました。それで始めたのが今の「鈴木臨之介のかえりましょ♪」
のラジオです。
最初は辛かったです。自分に自信が持てなかったのでゲストも呼べず、完全に1人で行っていました。30分の番組なのに10分が限界で、やたら天気と花粉症の話をしてましたよ。
今は声優さんが出演する、「革命のソルホライズン」という長編のボイスドラマを立ち上げました。関連イベントの企画もしていたんですが、コロナ禍に入り断念しました。今では、 youtubeで「ぷちほら」という「革命のソルホライズン」キャラがミニキャラになり、コミカルなお芝居を行うアニメ動画をアップしていますが、当初は考えてもいなかったことです。
その他たくさんやりたいことのアイデアは浮かんでいて、コロナで大勢での撮影が無理なら次回予告のような個人でできることとか、「ぷちほら」アニメに出演した声優さんがフリートークをするオーディオコメンタリーとか、試行錯誤しています。
IAEC理事の平野さんにラジオに出ていただいて、IAECでの活動とパラリンピックのことを話してくれました。熱い想いと、車椅子だから辛いじゃなくて車椅子でもこんなこともできるしこんなこともやっているという姿を社会に示していきたいという思いを強く感じました。
ただ、知ったのがコロナ禍に入ってからですので、イベントに足を運ぶことも実はまだ一回もできていません。
朗読会や絵本の読み聞かせは、版権がありますけど、アニメのアテレコは映像があればできますね。ワークショップのようなことも専門ではないですけどできますよ。理論的な何かというよりは今まで培ってきたものを伝える感じにはなるかな。
あとは、アニメオタクなので、いろいろ話せたら嬉しいです。ロボットアニメとかもチェックはしてますし。ストライクゾーンは車田正美先生の作品かな。座談会みたいな感じで1回開いてみると面白そうですね。
いろんな方とつながりながら、OTAGAISAMAの気持ちを持ってもっと発信していけたらと思います。声優はハードルが高い印象があると思うんですが、僕のようなフリーランス、個人への依頼も可能なので、気軽に話してほしいです。声優としてできることもOTAGAISAMAでやっていけたらいいですし、僕自身も新しいことにチャレンジしていけたらと思っています。
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いかがでしたでしょうか?
鈴木さんのような面白い経験と才能を持った方々が、OTAGAISAMAサポーターには沢山いらっしゃいますので、今後も「OTAGAISAMAの輪」にてご紹介していきます。
また次回をお楽しみに!
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